ばね製作記 逸品

ばね・バネの岩津発条製作所 ホーム > 逸品記事一覧 > 自動機を使うメリットが少なく手巻きで対応したトーションバネ

4月の記事

自動機を使うメリットが少なく手巻きで対応したトーションバネ

逸品No:i_20210410

材質:SWP-B(SWRS、ピアノ線)
線径:3.5mm

  • ・形状やロット数等の条件によっては手巻きが視野に入ることもあります
自動機を使うメリットが少なく手巻きで対応したトーションバネ

こちらの逸品では「自動機で成形も可能だが自動機を使うメリット少ない」といった場合の加工手段と判断基準に関して紹介いたします。

自動機を使うメリットが少ない場合の条件とは

自動機を使うメリットが少なく手巻きで対応したトーションバネ

当然のことながら大前提として自動機が使える仕様ならまず自動機を使うことを真っ先に検討すべきですが、経験上、自動機が使えるがメリットが少なく使いたくないケースもあります。
その条件とは、①ロット数が少ない、②1発成形できない(後加工が発生する)、というケースがほとんどだと思います。

今回の逸品は線径・形状といった仕様面ではまさに自動機を使える条件が整っていましたが、要求ロット数が50~100、さらに左図のように先端の曲げの直線部が少ないため、自動機で成形後、両端をカットする後加工が発生するという、まさに自動機を使うメリットが少ない条件に当てはまります。

自動機を使わない場合は、旋盤巻き(半自動)か、完全手巻きが候補になります

自動機を使えない場合に次に優先的に検討するのは「旋盤巻き」です。旋盤巻きとは、芯金に材料を巻きつけてコイリングする旋盤装置を使い、巻き上げていく加工方法になります。コイルを巻いていく過程は旋盤の回転によって自動になりますが、材料のセッティングや送り出しは職人の手で行うため「半自動」という表現を用いています。

自動機が使えない(または使いたくない)場合、まずこの旋盤巻きで解決することが大半ですが、こちらも「設備」を使うという都合上、旋盤装置が他の加工で占有されていた場合、納期面で融通が利かないケースが出てきます。

もしその場合で納期が厳しくなる場合、最後は「完全手巻き」が候補に挙がります。完全手巻きというと、加工コストが跳ね上がるのでは、と思われるかと思いますが、熟練した職人であれば、実は~100個あたりの小ロット帯であれば旋盤巻きとほぼ加工コストは変わらずで、もっと言えば今回のような「自動機で成形後に後加工を行わなければならない」場合の加工コストとも大差がありません。

今回の逸品ではまさに納期面の考慮が必要になったため、旋盤巻きではなく、完全手巻きを採用いたしました。このように条件や納期に応じて、デメリットを解消した代替案を考慮することで、お客様にとってメリットのある加工が出来ました。

岩津発条では、熟練の職人が在籍しておりますので、対応幅を広げたご提案が可能です。設計や難加工に関するご相談はぜひお任せください!

 

フォーミングの設計上「隙間寸法」を設ける際に考えたいこと

逸品No:i_20210420

材質:SUS304-WPB
外径:3.2mm

  • ・隙間寸法の指定の仕方で、管理コストが跳ね上がる
フォーミングの設計上「隙間寸法」を設ける際に考えたいこと

こちらは、よくあるパイプキャッチャーのような線材加工品です。今回はこの逸品を通じて「隙間寸法」に関する設計上の考慮ポイントをお伝え出来ればと思います。

この逸品でいう「隙間寸法」とは?

フォーミングの設計上「隙間寸法」を設ける際に考えたいこと

まず大前提として、こちらのサイズ感の部品ですと、各寸法公差は±0.5mmに収めることが出来ます。

そして「隙間寸法」とは左図にあるような、線材同士の隙間の寸法のことを指しています。

この「隙間寸法」の公差を他の箇所と同じような±0.5mmに収めるような設計を行うと、実は予想外の管理コストが発生します。

具体的には、全数検査および微調整の加工が必要になるほどです。

なぜ「隙間寸法」の指定だけで管理コストが跳ね上がるのか?

フォーミングの設計上「隙間寸法」を設ける際に考えたいこと

ケースバイケースですが、左図の曲げ角度の誤差と、腕の長さが関係してきます。曲げ角度がたとえ公差に収まっていたとしても、腕の長さが長ければ長いほど、この隙間寸法の誤差が大きくなります。

具体的な数値でいうと、この逸品の場合、曲げ角度「1度」につき約2mmほどこの隙間寸法に誤差が生じます。つまり公差は関係なく、少しの狂いも許されないということです。この前提で、仮に隙間寸法公差を「±0.5mm」と指定していた場合、全数検査と調整が必要になります。

もちろん、はめあいの都合上、そうせざるを得ない場合もあると思いますが、逆に言えば、特に機能上の理由がなければ、ある程度の許容をしておいたほうが、管理コストが下がってコストメリットが出るといった方がニュアンスとしては合っているかと思います。

岩津発条では、条件次第でメリットのでる可能性のある設計をご提案させていただきます。設計や難加工に関するご相談はぜひお任せください!

難加工を知り尽くした弊社にご相談ください。

東大阪から発信する、特殊ばね製作や、フォーミング加工の日々・・・。

岩津発条の自慢は、創業から培ってきた『職人技』です。
機械による自動化が進んでも、弊社は“製造業”を営む者として、“技術”にこだわってきました。 そんな自慢の技術を、是非とも皆さまにご覧いただきたいと思います。

逸品についての製作記を定期配信でお届けします。

関連する逸品記事

岩津発条製作所が特殊バネを設計・製作できる2つの理由

1.オリジナルで製作する治具・設備

岩津では、バネの仕様に合わせた製造設備のカスタマイズや、時には一から機械の設計も行い、特殊バネの製造を実現しています。

設備・治具紹介(動画配信中)

2.この道一筋の職人が在任

確かな技術を持つ、経験豊富なバネ職人が、岩津の特殊バネ製作を支えています。

技術者紹介

岩津発条の技術・設計・スキル

ばね製作記逸品
 
 
お電話・ファックスからのお問い合わせ TEL:06-6789-4857 FAX:06-6789-4867 営業時間:平日9時~18時

業務が立て込んでおり、電話に出られない場合がございます。
その場合は、お手数ですがインターネット問い合わせフォームをご利用下さい。

インターネットからのお問い合わせ インターネットお問い合わせフォーム メール