長―――――いばね、つくりました。
ばねってどこまで伸びる!?
長いばねを作って、どこまで伸びるか実験!
設計上、10m以上は伸びる試算でしたが、実際に伸びるのか?やってみました。結果は…
伸ばしすぎると切れそうだったため、余力を残しましたが、それでもざっと見積もって、10m以上あることは一目瞭然。圧巻でした。
これだけ長いばねをつくるには、コイル外径・ピッチ・自由長の管理が肝になります。なので、ばねが出来上がるまで、一歩も現場を離れられません。さばいて、送って、さばいて、送って、、、集中力あるのみです。材料によっては、失敗できない額のものもありますからね。
伸ばしても、ちゃんともとに戻ります。
長いばねでも元に戻るワケ
- D/dが大きいこと
- ピッチが細かいこと
- 巻数が多いこと
あとは管理された熱処理くらいですが、元々ヘタりにくいばねなのです。とはいっても、誰でも簡単に作れるわけではなく、「設計」が重要なポイントです。長巻きばねに限ったことではありませんが、設計次第で出来栄えに雲泥の差がでますから。
長いだけじゃない。均等のピッチ間隔が職人技。
等間隔に仕上げるには、材料の送り量のコントロール、自重を逃がす工夫、ピッチ開けツールのタイミングのコントロールなど、様々な点に注意を払い、管理しなければなりません。特に大事なのが、自重を逃がす工夫。これだけ長いと、ばね自体の自重が影響してコイル外径がバラつくため、弊社では2本のパイプとローラーで「受け」を設置し、まわりやすくし、自重の影響を逃がしました。
長―――いばねの製作現場をのぞき見!
私たちがばねづくりで大切にしていること
どんなに難しい加工でも、良い製品を作るには、材料の選定から熱処理・表面処理まで一貫してお客様の用途・要求に沿うよう心がけることが大切。でも、ばねメーカーとしての意見は必ず提言します。一緒にものづくりをしているという「相互理解」が重要だからです。
製作に当たっては、金型・治具のツーリングのデザイン力がコストパフォーマンスに関わることも確かだけれど、最も物を言うのはやはり「経験(質と量のどちらも)」であることは言うまでもありません。しかし、製作者の最重要資質は、使う人の立場に立って物作りに取り組む姿勢です。この姿勢が、技を磨く礎になったと感じています。