材質:SUS304-WPB
線径:1.8mm

  • 折れたアームの角度を予想
  • 1回の試作で求めるトルクを再現
手術台ユニットのバネが壊れたとのことで、修理した事例

こちらのダブルトーションバネは、もともと手術台のユニットの部品として使われていたところ、アームが折れて破損してしまったそうです。しかし、メーカー側で部品だけの修理はできず、ユニットごと交換するしかないとのことで、1ユニットにつき数十万単位のお金がかかるとのことで、どうにかバネを修理できないかとのことでご依頼いただきました。

現行品のアーム根本部分が破損しており、元の応力設計が不明でしたが…

現行品のアーム根本部分が破損しており、元の応力設計が不明でしたが

トーションバネ(ダブルトーションバネ)の応力の設計において重要な箇所の1つが、アームの角度になります。

このアームの角度で最終的に得られるトルクが大きく変わってきますが、現行品は根元から破損しており、この角度が分からない状態でした。

現行の手術台ユニットに最も適した力加減が必要ですので、現行品がどのような形状であったかを探りながら、ちょうど良いアームの角度を試作により試行錯誤の必要があります。

結果的に、試行錯誤を繰り返すことなく、1回の試作でぴったりのトルクが得られました

結果的に、試行錯誤を繰り返すことなく、1回の試作でぴったりのトルクが得られました

よほどの無茶な設計をしていない限り、ダブルトーションバネのアームの設計はある程度このあたりに収まる、という物理的なロジックである程度は絞れますが、それでも数回は試行錯誤が覚悟していました。

運が良かった点も大いにありますが、これまで多くの設計経験によって「この手のダブルトーションバネを作るならこの形状」という、もともとのこのバネの設計者と気持ちが通じたのか(笑)、1回目の試作でアタリをひくことができました。

結果的に、総コストはかなり安くつき、ご依頼時にお客様が悩まれていた数十万円のユニット交換が数万円のバネの修理費用で済んだため、とても嬉しかったです。

岩津発条では、破損した現行品や難加工が要求される仕様でも、現実的な範囲に再度設計し、成形いたします。設計や難加工に関するご相談はぜひお任せください!

ダブルトーションばねの設計・製作についてはこちら