材質:SWC(SWRH)
線径:φ3.5
コイル外径:φ33
総巻数:20Nt
何といっても特徴は、バネ全体のR形状です。
これを実現するには、ストレートの圧縮バネを成形後、バネ要目によって3通りの製法を検討します。
Ⅰ:両端を引っ張り、力技で全体をRに曲げる (線径が太く、硬いバネ向き)
Ⅱ:Rを保持する金型にはめ込み、熱処理で形状記憶させる (線径が細いバネ向き)
Ⅲ:R外径側を1巻きずつ広げ、R状に加工する
試作段階では、Ⅰ・Ⅱでトライし、Ⅰは加工不能のため、Ⅱを採用することになりました。(画像は試作品です。)
ところが、量産品は“外観重視”となり、電解研磨のできるSUS304の軟質材に指示変更があり、
結果、熱処理によるR形状保持が不可能となり、Ⅲを採用する運びとなりました。
専用治具を製作し、量産対応しましたが、この製法は、全体のひずみが発生しやすく、かなりの工数・精度を要する加工でした。