材質:SWC(SWRH)
コイル線径:4.5mm
フック線径:5.0mm

  • フックとコイルで異なる線材を利⽤
  • フックの線径を太くして破損を防ぐ

 

フックの線径をコイル部分より太くして強度を⾼めた両絞りの引っ張りバネ

こちらの逸品はコイルの線径が4.5mmに対して、フックの線径が5.0mmと、強度を⾼めるためにフック部分とコイル部分で別々の線材を⽤いた両絞りの引っ張りバネです。

以前に両絞りの引っ張りバネの逸品を掲載した際は、フック部分の形状に着⽬して書かせていただきましたが ( フックの線径をコイル部分より太くして強度を⾼めた両絞りの引っ張りバネ ) 、今回は取り付け⽅法に重きをおいて着⽬して書かせていただきます。

引っ張りバネのフックの破損は、コイルとフックで線材を分け、フック部分の径を太くすることで解決

1本の線材を⽤いた引っ張りバネの場合、加⼯コストはかかりませんが、フックとコイルの境界に負荷が掛かることで、フックが折れてしまうことがあります。

これを解決する⽅法として、フックとコイルで使⽤する線材を分けてしまうという⽅法があります。強度が低い原因のフックとコイルの境界をなくし、フックの線径を太くすることで、コイル全体の線径を上げることなく強度を⾼めることができるのです。コストより耐久性をお求めの⽅は両絞りの引っ張りバネをおすすめします。

フック破損の主な原因は上記の通りですが、まれに強い衝撃荷重によってフック⾃体が折れてしまうこともあります。こういった場合にも対策しやすいのでおすすめです。

また、剛性は劣りますが、加工のしやすさや太い線径を使用したい場合などは、フック部のみ鉄線を採用する場合もあります。

リング部分の径と位置の公差が厳しい

両絞りの引っ張りバネの加⼯にかかる⼿間を削減する⼯夫

両絞りの引っ張りバネのフック部分をコイルに取り付けるためには、コイルの中にフック部分を⼊れた後、コイルの端を少しずつ叩いて絞るという⼿作業の地道な⼯程が必要です。そこで、この⼯程をできるだけ減らすため、先に⽚⽅のコイルの端を数巻きだけ巻いておき、反対側からフックを⼊れて最後に少しだけ絞るという⽅法を⽤いて、少しでも早く製作できるよう⼯夫しています。

両絞りの引っ張りバネの加⼯にかかる⼿間を削減する⼯夫

岩津発条では、課題を解決する設計のアドバイスが得意です。お困りの⽅はぜひご相談ください!

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