材質:アルミ線
線径:20mm

  • 硬いアルミのひずみとりをバーナーで炙ることで解決

 

線径20mmの極太アルミ線を使ったリング

こちらの逸品は、比重が小さく柔らかいことで有名なアルミでも、線径が20mmともなると非常に硬くひずみとりにてこずりましたが、熱を加えることでとても綺麗にひずみとりができてしまったという、驚きと閃きの逸品です。

アルミ、舐めてました。

アルミは鉄の約1/3の比重で、とても柔らかいことが特徴的です。こちらの逸品は線径20mmと非常に太い径の指定でしたが、「まぁアルミやから太径であっても問題ないやろう」と高をくくっていました。しかしながら、いざ巻いたあとにひずみを取ろうとすると、意外や意外、全く動く気配もないほど硬いためにひずみを取ることができなかったのです。バイスという装置で製品を挟んで固定し、治具を用いて曲げようともしましたがこれにも失敗。びくともしません。

バーナーで中心を炙ってみたら…

もう取る術はないかとあきらめかけていましたが、試しに熱を加えてみるのはどうだろうということを閃き、リングの中心あたりをバーナーで炙ってみたところ、あんなに硬かったアルミがすっと曲がり、ひずみをとることができたのです。

おまけにバーナーで炙った箇所に跡が残るかと思いきや、跡形もなく綺麗に元通りになっており、拍子抜けしてしまった逸品でした。

線径20mmの極太アルミ線を使ったリング

ちなみに、このように線材に熱を加えると、今回の逸品に関してはメリットしかありませんでしたが、材質や加工条件によってはデメリットが出る可能性もありますので、熱を加えて加工する場合はお客様と相談の上で、最適な方法を模索しながら実施いたします。

岩津発条では、製作時に想定外のことが起こった場合でも、今までの経験や閃きによってなんとか解決に導きます。簡単にできると思っていたのに他社に断られた、などというお客様は一度ご相談ください!