材質:SUS304-WPB
線径:1.3mm

  • 少ない工程でひずみを除去

 

加工工程の工夫でコストダウンを実現した止め輪

こちらの逸品は加工方法を工夫して少ない工程でひずみを除去した点がポイントです。

加工工程の工夫でコストダウンを実現した止め輪

まず、前提として直線部の両端が曲げ部分に近く、線材を掴むことが出来ないため自動機では加工不可能な条件でした。治具を使う場合でも同じで、どのような加工にしても直線部と曲げ部分の線同士が交差するため、ツライチにするためのひずみ除去工程にコストがかかってしまいます。

そのひずみを極力抑えて、出来るだけツライチに近い状態にし、かつ加工工程を抑えたのが今回の技の見せ所です。

加工工程の工夫でコストダウンを実現した止め輪

この逸品は、まず簡単に巻いておいた左の形状から、回転式のベンダーで右の形状へと曲げることで製作しています。左の画像を見ていただくとわかるように、交差した箇所が発生するため、ひずみの発生が避けられません。

そこで、治具を工夫して、あえて逆方向にひずませる工程を発生させることで、必然的にひずみの差を除去するという方法をとりました。

加工工程の工夫でコストダウンを実現した止め輪

しかしながらこの方法でも完全にひずみは除去できません。完全にひずみを除去するためにはもう一つ工程(それもシビアな)が発生しますのでコストがかかってしまいます。ですが、使用用途上この程度のひずみは許容できるとのことで、余計なコストがかからないという結果となりました。このように、どこまでが許容コストで、どこからが現実的でないコストかを見極めるためにも、お客様とのコミュニケーションが欠かせません。

岩津発条では、一見シンプルで簡単に見える設計でも、常識に囚われずにいかに少ない工程で製作するかを常に考えて工夫を続けています。まずはご相談ください!