材質:SWP-B(SWRS)
線径:7.5mm

・回転式のベンダー加工で対応

加工方法を工夫し、想定加工コストよりも安価な成形に成功した太径のバネ

こちらの逸品は、線径が太いことから、スライド式のベンダーによる曲げが一般的な加工方法となりますが、その金型を製作するには高額な費用がかかります。そのため、岩津発条では回転式のベンダー加工機を用いてこちらの逸品を製作いたしました。

スライド式と回転式の加工方法の違い(簡易的に表現しております)

加工方法を工夫し、想定加工コストよりも安価な成形に成功した太径のバネ

回転式のメリットはスライド式に比べて金型を安く製作できることです。しかしスライド式と比べて、片方を固定して製作することからほんのわずかに微妙に左右でRの違いが発生するという弱点もあります。指定公差によってはNGな場合もありますが、今回は量産前の確認段階で十分問題ないという結論に至りましたので、この回転式による低コストの加工を採用いただきました。

加工方法を工夫し、想定加工コストよりも安価な成形に成功した太径のバネ
加工方法を工夫し、想定加工コストよりも安価な成形に成功した太径のバネ

また、この逸品のポイントは「寸法の調整」を行ったことです。
というのも、この逸品は「外力がかかった線材が元に戻ろうとする力」を利用して、途中の膨らんでいる部分に部品を挟むという用途で用いられます。そのため、挟む部分の強度(力の強さ)の調整が必要となります。
強度を調整するための手段としてよく話に出る方法は「線径を変える」ことですが、実際、手に入りやすい既製の材料では線径は0.5mm単位でしか販売していないので、こういった微妙な調節が難しい場合が多いです(大きさや長さを変える必要すら出てくる場合があります)。しかし、線径の変更に頼らず、モノを挟む「隙間」の寸法を加工によって調節すれば、ノウハウと技術さえあれば簡単に強度を調整することが可能となります。

岩津発条では様々な工夫で難加工もコストを抑えて製作可能です。ぜひご相談ください!

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