材質:SUS304-WPB
線径:1.4mm
円部分の外径:44mm

・円→直線にするためのひずみとりが難しい

芯金の材質を工夫して小さすぎるD/dに対応した逸品(左)と自動機で一発成形した逸品(右)

こちらの逸品は自動機では不可能なため、手加工で行いました。一見簡単そうに見えますが、この逸品の難加工ポイントは、円の途中から直線に曲げる点にあります。

芯金の材質を工夫して小さすぎるD/dに対応した逸品(左)と自動機で一発成形した逸品(右)

端から順番に加工していきます。円部分に関しては、目的の外径より小さめの径の芯金に巻きつけ、スプリングバックを利用してゆっくりと目的の外径に近づけます。

芯金の材質を工夫して小さすぎるD/dに対応した逸品(左)と自動機で一発成形した逸品(右)

この時点で円の始点が奥、終点が手前、とひと巻分ずれてしまいます。このずれを修正するのが難しいポイントです。円の始点と終点を同じ位置に修正すると元の形に戻ろうとするひずみが生まれてしまうため、これを除去するために熱処理を施して調整しました。

もちろん、左右対称にするために専用の治具を用いて寸法管理や位置合わせもしっかりと行っています。簡単そうに見えて実は見えない部分で気を遣う部分が多くある逸品でした。

岩津発条ではシンプルに見えて難加工な逸品も多数行ってきました。お気軽にお問い合わせください!

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