材質:純チタン(硬引き線)
線径:1.8mm
外径(長辺):28mm
外径(短辺):9mm
総巻き数:6

こちらの逸品は、純チタンを用いていること、四角という特殊な形状をしていることが特徴です。

純チタン(硬引き線)を用いた四角いバネ

当初、お客様からはステンレスの材質を指定されていましたが、設計図をもとに相談の上、軽く(※)、強く、錆びないチタンを提案させていただきました。チタンはチタンでも、一般的なバネ用チタン合金ではなく、純チタンです。医療機器や宇宙工学に関係するバネの場合、こういったチタンの特性が活躍します。

純チタン(硬引き線)を用いた四角いバネ

このバネは限られたスペースで最大の荷重を得るため、四角という特殊な形状をしています。線材加工の場合は自動機での加工が可能の場合がありますが、今回のようなバネの場合、自動機での加工はできません。

まず一度バネ用チタン合金の横弾性係数を割り出してから、純チタンと比較し、純チタンの場合の最適な形状やピッチを決定。さらに、熱処理後の形状も正確に予測することが難しいため、一度熱処理した後、四隅のRの角度等に微調整を加えて再度熱処理をするという非常に多くの工程を必要とする逸品となっています。

それほど手間がかかる材質を提案するのはなぜかというと、バネ用チタン合金はkg単位での材料調達が必要ですが、純チタンは小ロットでの調達が可能で、コストを抑えることができるためです。

材料の調達法を工夫することで、工程が多く複雑なバネでもコストを抑えて製作することができました。他社が嫌がる複雑なバネでも、岩津発条では工夫と職人技で要望に応えます。お気軽にご相談くださいませ。

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