材質:C5210-H
線径:φ0.4
コイル外径:φ0.88
内径:φ0.09

ご覧いただいてもわかる通り非常に小さく、内径は0.1mmを切ります

銅線を使用した外径が極めて小さい線材曲げ加工品品

これほどまでに内径が小さいという事と、材質が柔らかい銅線であるという事で、通常工程の巻き上げが不可能です。
また芯金はφ0.14。線径はφ0.4ですので合計でφ0.94となり指定の外径を超えてしまいます。
JIS規格の指定では、外径は線径の5倍とされていますが、こちらは約2倍です。

銅線を使用した外径が極めて小さい線材曲げ加工品

そこで、バネの製造は通常、芯金を回転させながら材料を巻きつけていくのですが、反対に芯金を固定して手作業で材料側を回しました

銅線を使用した外径が極めて小さい線材曲げ加工品

これにより巻きつけが可能になった事と、さらに引っ張る力で柔らかい銅が扁平になり、通常ではありえない外径を実現いたしました。

材料の扁平は予測していなかったのですが、職人の飽くなき挑戦が不可能を可能に変えた瞬間でした。

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