非常に耐久性に優れ、強く引っ張っても破断しにくい引っ張りバネです。フック部の線径をばね部の線径より太くできるメリットもあります。

こちらのバネは両端が絞りフックであるため、手作業での製作となります。
絞るためには専用の治具が必要となり、岩津発条では効率良くかつ高品質で製作できる治具を独自開発しました。こちらの治具を「絞り箸」と呼びます。

耐久性が高い両絞りフックの引っ張りバネ

耐久性が高い両絞りフックの引っ張りバネ

圧縮バネの先端の径を小さくし、テーパー状に仕上げますが、精度の決め手は職人が握る絞り箸の力加減

また、絞り箸の溝が線径に合わないと上手く絞りをつくれないため、溝を削り、調整する技術が必要です。
岩津発条にはもちろん削る技術があり、尚且つ大小様々な絞り箸を揃えております。

耐久性が高い両絞りフックの引っ張りバネ

バネの線径が太く、硬い場合はエキセン(手動プレス)を使用します。

耐久性が高い両絞りフックの引っ張りバネ

エキセンを使用する場合も絞り箸と同様に
線径に合う溝の固定具の用意
プレスする際の力加減
が精度の決め手です。

耐久性が高い両絞りフックの引っ張りバネ

余談ですが、「絞り箸」を使って行う加工は昔ながら加工方法なのですが、今では自動機を使っての加工が主流となり、このような治具をつくれる/使えるバネメーカーが少なくなっています。昔ながらの技術が衰退していくのは、残念なことです。

 

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